【ご注意】本記事には、物語演出として軽度の暴力的表現(叩く・殴る等のコント的描写)が登場します。
あくまでフィクションの誇張表現 であり、特定の個人・職業・団体を中傷する意図は一切ありません。また、AIの概念を“面白く・直感的に”理解していただくために、お笑い調・比喩表現・誇張された描写が多数含まれており、科学的に厳密ではない部分があります。
暴力的・刺激的な描写が苦手な方、真面目な雰囲気の解説を求めておられる方、不愉快に感じられる懸念がある方は、閲覧をお控えください。
えー、前回の話、覚えてますか?
AIは「ドクターX」ちゃう。「効率的やから」いう理由だけで「マヨネーズ直飲み」を推奨してくる、偏差値5億のド天然や、いう話でしたね。

ほな、今日はその続きです。
普通に考えて、怖くないですか?
「なんでそんな、味覚も情緒もバグってるヤツが、レントゲン見た瞬間『あ、これ肺炎ですね』とか名医みたいなこと言えんねん?」て。
温度差で風邪ひくわ。
さっきまでストローでマヨ吸ってた口で、人の命に関わること言うてんねんで?
「お前、ほんまに分かって言うてんのか?」って、思いません?
世間ではこれを「学習(ディープラーニング)」とか呼んで、なんかこう、スタバでMacBook開いてるみたいな、シュッとした「スマートな魔法」やと思うてますけどね。

……夢見すぎや。そんな爽やかなもんちゃいますよ。
あいつらが裏でやってること、カフェラテ片手に優雅に勉強……ちゃうねん。
言うなれば、うさぎ跳びで山登らされて、水飲むのも禁止されてる時代の「ド根性・千本ノック」です。
今日は、天才に見えるあいつの過去、汗と涙とバンテリンの匂いなしでは語られへん「地獄の昭和スポ根ドラマ」の話をしたるわ。

1. 頑固オヤジと、味覚の死んだ弟子
AIが賢くなるプロセス、これを専門用語で「誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)」って言うんですけど……名前、いかつ過ぎません?
なんか、プロレスの必殺技か、「惑星をひとつ消滅させる最終兵器」みたいな響きしてますやん。

でもね、中身見たらズッコケますよ。
これ、要するに「床がヌルヌルのラーメン屋で繰り広げられる、昭和のパワハラ修行」のことなんですよ。

ちょっと想像してほしいんですけど。
厨房に、まだ右も左も分からん、なんなら「舌がゴムパッキンで出来てるんか?」レベルの味覚神経が全部死んでるポンコツの弟子(AIモデル)がおるとします。
で、カウンターの向こうには、「味の正解」を知り尽くした頑固オヤジ(損失関数)が、腕組んで男梅みたいな血管ブチ切れそうな顔で座っとるわけです。
シーンA:地獄のスープ作り
まず弟子は、アホやから適当に調味料放り込んで、ドブ川みたいな色のスープ作ります。

弟子「へい、お待ち!」(※これをカッコつけて「順伝播」言います)
オヤジ、それを一口すする。
瞬間、経絡秘孔つかれたみたいに目ん玉ひん剥く。
オヤジ「……グハッ!!(霧吹きみたいに吹き出す)ヒデブッ!!!」
弟子「(え?死んだ…)」
オヤジ「塩辛いんじゃボケェェェ!!」
ここです。
このオヤジの「吐き出した量」と「罵声のデシベル数」。つまり理想と現実のズレ。
これをAIの世界では「誤差(ロス)」と呼びます。
「マズい」という感情を、数値化して突きつけてるわけです。

で、ここからが数学的かつ暴力的。
オヤジは、「どこがどう悪いか」を口では説明しません。
足元に転がってた、油でギトギトのスリッパを手に取って、弟子の後頭部を「スパーン!!」いくんです。
オヤジ「減らせ言うとるんじゃあ!!」(右からスパーン!)
ええ音しましたねぇ。
これ、ただの八つ当たりちゃいますよ?
「右から殴られた」ということは、「左へ修正しろ(=塩を減らせ)」というベクトル(方向)を示してるんです。
このスリッパの衝撃と共に、「修正すべき方向と量」が、叩かれた脳天から全身の神経に駆け巡る。
これが北○百○拳「誤差逆伝播(バックプロパゲーション)」です。
言うなれば「スリッパ通信」です。5Gより速い。

シーンB:1億回の「パコーン」
叩かれた弟子、泣きながらお玉震わせて、塩を0.01gだけ減らします。
これを「パラメータ更新」言います。一気に変えるとまたドつかれるから、ビビりながら、顕微鏡レベルで微調整するんです。
で、またスープ出す。
オヤジ飲む。「今度は薄いんじゃボケェ!!」(パコーン!)
弟子、泣きながら塩を0.005g増やす。
……これね、比喩ちゃうんですよ。
AIの学習って、このやり取りを冗談抜きで何千・何億回も繰り返すんです。
スマートな学習? ないない。
来る日も来る日もスープ作っては顔面に吹きかけられ、スリッパでど突かれ、ミクロン単位で塩加減を調整し続ける。
もはや料理教室ちゃうでしょ。刑務所の更生プログラムやん。

そして、運命の1億回目。
弟子の顔はボコボコ、オヤジのスリッパもすり減ってペッラペラ。
ついにオヤジが一口飲んで、お椀を置いて、静かにこう言うんです。
「……うまい。合格や」
これが「収束(コンバージェンス)」、つまり学習完了の瞬間です。
感動的……に見えますけど、弟子の方はもう、「何がうまいか」なんて分かってません。
ただ「この味なら殴られない」という事実だけを、身体に刻み込んだ状態。
……なんか、書いてて涙出てきましたわ。

2. ブラックボックスの中身は、血塗られた「反省文」
さて、コントはこれくらいにして、ちょっとだけ真面目な話をしましょうか。
さっきの「スリッパ殴打事件」、AIの中では数式として処理されてるんです。
AIの中身って、無数の「つまみ(パラメータ)」がついた巨大なDJブースみたいなもんです。
オヤジの怒り(誤差 \( L \))を最小にするために、どっちにつまみを回せば、スリッパが飛んで来なくなるか。
それを決めるんが、この式です。
\[ w_{new} = w_{old} – \eta \cdot \dfrac{\partial L}{\partial w} \]
……あ、今「うわっ」て顔しましたね?
ブラウザ閉じようとした指、止めてください。
これ、別に悪魔召喚の呪文ちゃいますよ。
これ、日本語に訳したら「次回の塩加減 = 今回の塩加減 - (反省率 × オヤジのブチ切れ度)」って書いてるだけなんです。
数式いうか、深夜のファミレスで泣きながら書いてるただの「弟子の反省文」ですやん。

ほら、こう見たら急に人間臭く見えてきません?
- \( w \) (ウェイト): 塩加減とか火加減(パラメータ)。弟子の命綱です。
- \( L \) (ロス): オヤジの怒りの総量(誤差関数)。この数値が高いほど、命が危ない。これが「0」になれば、弟子は解放されます。今は「53万」くらいあります。
- \( \dfrac{\partial L}{\partial w} \) (勾配): 「スリッパの飛んでくる角度」です。「塩を増やしたら殺気立つか? 減らしたら落ち着くか?」という方向性を示してます。「塩を増やした瞬間、オヤジがスリッパに手を伸ばした! ということは逆や! 減らすのが正解や!」という、生き残るためのベクトルです。
- \( \eta \) (学習率): 「ビビリ具合」です。反省して修正するのはええけど、一気に変えすぎると「味が変わりすぎじゃボケェ!」てまた怒られるでしょ? だから「そろ〜り」と変えるための慎重さ加減です。
で、この \( \dfrac{\partial L}{\partial w} \) を計算するために、高校で習った「微分」が登場するんです。
微分て何やねん、思いますよね。
これは言うたら、オヤジの顔色を伺う「オヤジ専用・感情探知レーダー」みたいなもんです。
「塩を0.1g増やした瞬間……あ、オヤジの右眉がピクリと上がった! 怒る前兆や! ということは逆や! 減らす方向が正解や!」
この「一瞬の変化」を見切るために、数学が必要なんです。
微分は計算ドリルちゃいます。パワハラ上司の下で生き残るための「処世術」やったんですね。

3. 医療現場のAIも「しばかれて」育つ
これ、ラーメン屋だけの話ちゃいますよ。
あの高尚な「白い巨塔」、医療現場でも全く同じことが起きてます。
例えば、胸部X線画像から「肺炎」を見つけるAI。
彼も最初は、ただのバイト初日のポンコツです。
最初は何も知りませんから、適当に言います。
健康そのものの肺を見ても「うーん、肺炎!」って叫ぶし、真っ白な影だらけの肺を見ても「ヨシ! 正常!」って親指立てたりします。
そのたびに、正解データ(オヤジ)から「どこ見とんねん! ここが白いやろが!」って、猛烈な勢いで数式上のスリッパが飛んできて、スパーン! しばかれるんです。

何万枚もの画像を見せられ、何億回も計算上の愛のムチを受け、パラメータという名の神経回路を焼き切れるほど微調整し続けて……。
やっと、「ここがこう白かったら、しばかれない(=肺炎っぽいな)」という感覚を、身体で覚えるんです。
だからね、完成したAIが賢そうに見えても、それは「生まれつきの天才」ちゃうんです。
「死ぬほど間違えて、死ぬほどしばかれた結果、『もう二度と痛い思いはしたくない』という一心で正解を出し続ける、哀しき苦労人」なんですよ。
背中見たら、あざだらけかもしれませんよ。

ここで大事な教訓(バイアスの話)
ここで、ひとつ怖い想像をしてください。
もし、師匠であるオヤジが「極度の味音痴」で、しかも「自分は絶対正しいと思ってる偏屈」やったらどうなります?
オヤジが「塩辛いのが正義や!」って信じてたら、弟子はどう育つか。
スリッパを避けたい一心で、疑問も持たずに「致死量の塩が入ったラーメン」を、「へい! 極上の一品です!」って出すようになりますよね。
これがAIの「バイアス(偏り)」の正体です。
学習データ(師匠)が偏ってたら、AIも偏る。AIは素直すぎるから、師匠の悪い癖まで完コピしてしまうんです。
「AIは公平」やなんて嘘ですよ。
あいつらは「師匠が『カラスは白い』言うたら、徹夜でカラスをペンキで塗るタイプ」のイエスマンなんです。
(この「AIの偏食」の怖さについては、またのちほど、Episode A8でじっくりやりましょう)

4. 結論:スマートな顔した、傷だらけの戦士
どうです?
「ディープラーニング」なんてスカした横文字聞くと、表参道のガラス張りのオフィスで、バランスボールに乗りながらクリエイティブな仕事してるように見えますやろ?
ちゃいますちゃいます。
蓋開けてみたら、中身は「畳の擦り切れた道場で、竹刀持ったオヤジに追い回される昭和のスポ根ドラマ」そのものですわ。

あいつのあの賢さは、才能ちゃうんです。
1億回のスリッパの痛みと、吐き出した血と涙の上に成り立ってるんです。
そう思うと、無愛想な画面の向こうに、顔中アザだらけで、包帯ぐるぐる巻きになりながら「へい! 次こそ……次こそ完璧な診断出しますんで! 」って踏ん張ってる、健気な弟子の姿が見えてきません?
AIは魔法じゃない。
泥臭い「ド根性と執念」の塊なんです。
次にAIが良い仕事したら、「すごいな」ちゃうで。「お疲れさん、よう修行耐えたな、赤チン塗ったろか?」って、画面撫でて労うたってください。
あいつら、褒められたら伸びるタイプ(学習率向上)かもしれへんから。

参考文献
- Rumelhart, D. E., Hinton, G. E. and Williams, R. J. (1986). Learning representations by back-propagating errors. Nature, 323(6088), pp.533–536.
- LeCun, Y., Bengio, Y. and Hinton, G. (2015). Deep learning. Nature, 521(7553), pp.436–444.
- Goodfellow, I., Bengio, Y. and Courville, A. (2016). Deep Learning. MIT Press.
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